RESONANCE ~共鳴 (2004年6月)

記憶には感情がくっついています。過去の様々な出来事を思い出す時、そこにあった事実とは別に感情が蘇ってきます。そもそも、この事実というものは、きわめて個人的な体験で、例えば、東京オリンピックという出来事一つにしても、人によっていい思い出と結びついていたり、または苦しい思い出であったり、まちまちです。また、この瞬間は、次の瞬間には過去になってしまうわけですから、もはや記憶の中にしか存在しません。つまり、人は永遠に現実というものを実体として捉えることができないのです。これを仏教的に理解すれば、空=実体がないと言えるでしょう。

しかし日常生活の中で誰でも確かに実感として感じられる体験があります。それが感情です。感情はエネルギーなので、無理に抑えこもうとしてもなくなりません。例えば、許せない相手を許そうと頭でいくらがんばっても、こころ=本心がそう思わなければそのエネルギーは消えずに、身体や心に影響を与えてしまうことがあります。自我の特徴である時間の感覚や、抑圧することで生まれた感情のエネルギーほど実際は昇華することが難しいようですが、感情がなくならないで、人の心の中に残っていることは確かです。そう考えると、むしろこの世界では、感情こそが実体なのではないでしょうか。

文責:矢吹三千男
早稲田大学卒業。製薬会社に勤務ののち、1993年よりバッチフラワーの輸入を始め、1994年バッチフラワー正規輸入代理店となる。株式会社プルナマインターナショナル代表取締CEO社長。陰陽五行思想家の冨田哲秀氏に師事し、陰陽五行を交えた新しい性格分析法の開発に携わる。感情・魂・肉体についての研究を続け、独自の展開を現在、全国を講演・セミナー活動で行っている。