RESONANCE ~共鳴 (2016年1月)

人類が農耕を開始し、同時に言語を獲得して以来、人々は常に妄想に苦しめられるようになりました。言葉によって知識や技術が継承されるようになり、人々の生活や文化の水準が向上したとの同時に、自然から切り離された脳は、過去や未来について空想することができるようになったのです。野生の動物の本能と比較してみると、動物が何時もこの瞬間だけにフォーカスしているのに対して、人間の意識は常に、過去か、未来に向いています。トラウマは、過去に現在が浸食された病です。逆に、未来に意識が向き過ぎる場合も、不安が強くなったり、また現在から逃避していることが多くなります。

マイナス感情は、人類の脳の中の物語が作り出しています。そしてこの物語は反復されることで強化され、マイナス感情を繰り返し生み出しているのです。

そこで、マイナス感情をなくすためには、この物語の反復を終息させることが必要になります。その時に必要なことは、マイナス感情を、一時的にもはずすことです。事実に対して、冷静で、中立的な視点に立って初めて人は、ネガティブな物語を書き換えることができるからです。そしてその時に人は、少しだけ成長することができます。

マイナス感情は人類にとって、もっとも古くて、しかも常に新しい普遍的なテーマなのかもしれません。

2016年はバッチ博士が生誕して130年目にあたる年になります。